
BRANCH Study(ブランチ スタディ)

研究課題名
固形がん患者及び血縁者における生殖細胞系列遺伝子変異同定の有用性を評価する観察研究
Blood and tumoR Analysis-driveN Confirmation of Hereditary cancer syndrome
概要
この研究の目的は、固形がん患者さんのがん組織の遺伝子パネル検査やリキッドバイオプシー検査の結果から遺伝性のがんの可能性を考え、診断に繋げることの有用性を明らかにすることです。
本研究によって、特に国内外でガイドライン等が明確でないリキッドバイオプシー検査での、生殖細胞系列遺伝子変異同定の対応の一助になると考えられます。
また本研究では、生殖細胞系列のBRCA1/2遺伝子検査を受けた方やマイクロサテライト不安定性を示すがんに罹患された方、複数の大腸ポリープが認められるなどから遺伝性のがんが疑われる方に、MGP解析で網羅的に他の遺伝子変異の存在の探索を行い、MGPの有用性を評価します。本邦においてMGPを広く普及させ、効率的に生殖細胞系列の遺伝子検査が行えることを目指しています。なお、マイクロサテライト不安定性を示すがんに罹患された方、複数の大腸ポリープが認められるなどから遺伝性のがんが疑われる方は、腫瘍組織の遺伝子も解析し、この検査が診断に役立つかどうか検討します。
さらに、生殖細胞系列遺伝子変異が認められた患者さんのご家族が遺伝子検査を行う実施可能性を評価し、どのように今後の診療に役に立つのかについても検討します。
難しい言葉の説明
- がん組織の遺伝子パネル検査: がん組織から複数の遺伝子を一度に調べる検査です。
- リキッドバイオプシー検査: 血液からがんの遺伝子情報を調べる検査です。
- 生殖細胞系列遺伝子変異: 生まれつき持っている遺伝子の変化で、がんになりやすい体質に関わるものです。
- 生殖細胞系列のBRCA1/2遺伝子検査: 遺伝性乳がん・卵巣がん症候群の原因となるBRCA1/2遺伝子の変化を調べる検査です。
- MGP(マルチジーンパネル)解析: 多くの遺伝子を一度に調べる検査で、遺伝性のがんの原因となる遺伝子の変化を網羅的に調べることができます。

関連リンク
「がん」と「遺伝」Q&Aキホンのキ
https://www.ncc.go.jp/html/scrum-japan/gan_to_iden/index.html