がんはゲノム
※2やエピゲノム
※3がうまく機能しないために起こる病気と言われています。細胞の複製を正しくコントロールするためのゲノムやエピゲノムが傷害を受けると、無秩序に増殖するがん細胞となって隣接する組織の中に浸潤し、体全体に広がっていきます。したがって、がんは発生の段階からゲノムやエピゲノムに傷害を伴っていると考えられています。
近年、がん細胞由来のDNA
※1が血中を循環していることが分かり、血中にあるがん細胞由来の遺伝子を検査する技術が年々進歩しています。
この研究の目的は、新しい検査技術で血液を解析し、ゲノムやエピゲノムの傷害がどれくらいの割合で見つけられるかを確認することです。血中のがん細胞由来のDNA上のゲノムやエピゲノムの傷害を正確に調べられようにして、血液を用いた体に負担の少ない検査で、早期にがんを診断することや、再発リスクに応じたそれぞれの患者さんに合った周術期の治療選択に繋げることを目指しています。
<p”> ※1DNA:DNA(デオキシリボ核酸)は、4種類の物質が長く連なってできています。この物質の並び順は、それぞれを構成する塩基の頭文字A、T、G、Cで表した「文字列」で表すことができます。この文字列のことを「塩基配列」といいます。
※2ゲノム:遺伝子の働きは、DNAの塩基の並び方によって大きく決められ、その塩基の並びについての情報の集まりを「ゲノム」といいます
※3エピゲノム:親から受け継いだ塩基配列を維持しつつ、遺伝子発現を変化させる仕組みも存在します。その仕組みの情報の集まりを「エピゲノム」といいます。