SCRUM-Japanとは
プロジェクトの概要
SCRUM-Japanは、2013年に開始した肺がんを対象とした遺伝子スクリーニング基盤であるLC-SCRUM-Japan(現:LC-SCRUM-Asia)と、2014年に開始した消化器がんを対象とした遺伝子スクリーニング基盤であるGI-SCREEN-Japan(現:MONSTAR-SCREEN)が統合して、2015年に開始して、現在も継続中の産学連携がんゲノムスクリーニングプロジェクトです。
個々のプロジェクトの詳細は、各ページをご覧ください。
事業名
SCRUM-Japan(Cancer Genome Screening Project for Individualized Medicine in Japan : 産学連携全国がんゲノムスクリーニング)
参加機関の役割
SCRUM-Japanでは、参加する医療機関、企業、そして事業主である国立がん研究センターそれぞれが以下の役割を担います。
国立がん研究センター ( 事業主 )
SCRUM-Japanの運営を行います。また、匿名化された遺伝子情報と診療情報を一元的に管理するデータベースの構築を行い、医療機関・企業と協力して新たながん治療の研究開発を促進します。
医療機関
SCRUM-Japanへの参加の同意が得られた患者さんへ、遺伝子検査を無償で提供します。また、見付かった遺伝子変化を対象とする臨床試験(企業治験・医師主導治験)の情報提供を行い、患者さんから同意が得られれば、臨床試験に登録して治療を行い、医薬品の臨床開発に貢献します。
共同研究参加企業
SCRUM-Japanが構築した臨床ゲノムデータベースを活用し、国立がん研究センターと協力しながら、医薬品の研究・開発を推進します。
注: 参加企業は共同研究契約を締結した上で検査費用を支援しますが、検査の実施や企業治験の患者さんの登録には直接関与しません。また、参加企業に提供される臨床ゲノムデータベースには、患者さんを特定する個人情報は含まれません。
予定登録期間
2015年2月2日から2027年3月31日
対象症例
- 肺がん
- 固形がんと血液がん
目標症例数
- 第1期(2015年2月2日から2017年3月31日)4,500例(肺がん2,250例、消化器がん2,250例)
- 第2期(2017年4月1日から2019年3月31日)5,500例(肺がん2,500例、消化器がん3,000例)
- 第3期(2019年4月1日から2021年3月31日)4,500例(肺がん2,500例、固形がん2,000例)
- 第4期(2021年4月1日から2024年3月31日)7,750例(肺がん5,000例、固形がん2,750例)
- 第5期(2024年4月1日から2027年3月31日)8,200例(肺がん5,000例、固形がんと血液がん3,200例)
遺伝子解析手法
- 蛍光多重免疫染色
細胞や組織の形態が維持された状態の検体において、複数の抗原局在を抗体を用いて同時に検出する検査法です。 - 空間トランスクリプトーム解析
病理組織切片をサンプルとして網羅的な遺伝子発現情報を得ることで、組織や細胞の位置/形態情報を伴った遺伝子発現データを可視化し、様々な観点から解析できる技術です。 - リキッドバイオプシー解析
身体への負担が少ない液性検体(血漿や尿など)を利用する検査方法です。 - マルチオミックス解析
遺伝子解析(ゲノミクス)・RNA解析(トランスクリプトミクス)・蛋白質解析(プロテオミクス)等をすべて一括して分析する手法で、“ミクス(- omics)”は総合的解析を意味します。
検査実施機関
LC-SCRUM-Asia
- LSIメディエンス(日本)
- ユーロフィンジェネティックラボ株式会社(日本)
MONSTAR-SCREEN
- GxD株式会社(日本)
- Caris社(米国)
- Myriad社(米国)
- ミヤリサン製薬(日本)
研究資金
基盤整備および人件費
- 厚生労働省 早期・探索的臨床試験拠点整備事業
- 日本医療研究開発機構委託研究開発費(革新的がん医療実用化研究事業)
「RET融合遺伝子陽性の非小細胞肺癌に対する新規治療法の確立に関する研究」 - 同「RET融合遺伝子陽性肺癌に対するアレクチニブの有効性を明らかにする研究」
- 同「ALK融合遺伝子陽性のIII期非小細胞肺癌に対する集学的治療法の開発に関する研究」
- 同「希少遺伝子変異を有する小細胞肺癌に対する新規治療法の確立に関する研究」
- 同「遺伝子スクリーニング基盤(LC-SCRUM-Japan)を利用した、MET遺伝子異常陽性の進行非小細胞肺癌に対する治療開発を目指した研究」
- 同「未来のがん診療に資する革新的技術を導入したバイオマーカー測定の有用性を評価する大規模前向き観察研究」
- 同「次世代シークエンサーによる網羅的がん関連遺伝子パネル解析を用いた HER2 遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌に対する治療開発を目指した研究
- 同「がんゲノム情報を用いた全国レベルでのPrecision Medicine体制構築に関する研究」
- 同「身体活動ががん免疫・がん予防に与える影響の分子基盤解明」
- 同「循環腫瘍細胞シングルセル解析と時空間的マルチオミクスの統合的アプローチによる革新的な転移制御法の確立と臨床応用」
- 同「新規RNAスプライシング遺伝子の失活変異を基盤とした肺がん最適治療法の開発」
- 同「MET阻害剤に獲得耐性を示したMET遺伝子変異陽性進行非小細胞肺癌に対するカボザンチニブの第2相試験」
- 同「進展型小細胞肺癌に対する新たな治療開発を目指した研究」
- 同「肺がん等の全ゲノム配列データおよび臨床情報等の収集と解析に基づく創薬等のイノベーションの創出のための基盤研究」
- 同「LTK融合遺伝子陽性肺癌の診断法と、治療開発のためのコンパニオン診断薬の確立を目指した研究」
- 同「新規ドライバー遺伝子であるLTK融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺癌に対する個別化治療の開発を目指した研究」
- 同「難治性呼吸器腫瘍等の全ゲノム配列データおよび臨床情報等の収集と解析に関する研究」
- 同「LC-SCRUMレジストリを用いた形態学的バイオマーカーデジタルAI判定機器の治療効果予測性能検証試験」
- 同「EGFR 遺伝子変異陽性の進行非小細胞肺癌におけるEGFR 阻害薬耐性機序(C797S 耐性変異)を克服する新規治療法の確立を目指した研究」
- 同「進行肺癌の血漿遊離DNAを利用したマルチ遺伝子解析法に基づく個別化医療の確立を目指した研究」
- 同「ROS1融合遺伝子陽性の進行固形がんに対する治療開発を目指した研究」
- 革新的がん医療実用化研究事業(委託事業)
「希少遺伝子変異を有する小細胞肺癌に対する新規治療法の確立に関する研究」 - 同「ALK融合遺伝子陽性のIII期非小細胞肺癌に対する集学的治療法の開発に関する研究」
- 医療技術実用化総合研究事業 「RET融合遺伝子陽性の進行非小細胞肺癌に対する新規治療法の確立に関する研究」
- 次世代がん医療加速化研究事業 「大規模コホートデータとマルチオミクス解析による切除可能大腸癌に対する術前診断法 の確立」
- 創薬基盤推進研究事業 「産学連携全国がんゲノムスクリーニングプログラム:SCRUM-Japan を活用したプレシジョンメディスン推進基盤構築研究」
- 臨床ゲノム情報統合データベース整備事業 「ゲノム創薬・医療を指向した全国規模の進行固形がん、及び、遺伝性腫瘍臨床ゲノムデータストレージの構築」
- 臨床研究・治験推進研究事業 「産学連携全国がんゲノムスクリーニング(SCRUM-Japan)を利用したがん新薬開発に資する疾患登録システムの構築」
- 国立がん研究センター研究開発費「生物学的特性に基づくがん最適化医療開発プラットフォーム」
- 同「新薬開発のためのがんゲノム情報の国家的データベース構築に関する研究」
- 同「進⾏固形がんおよび造⾎器悪性腫瘍における新しい解析法を含むマルチオミックス解析に基づいたがん個別化治療開発基盤の構築および運⽤に資する研究」
- 同「リアルワールドエビデンス創出のためのデータベース構築とデータサイエンス人材育成に関する基盤的研究」
- 同「リキッドバイオプシーによるがん早期診断開発基盤の構築」
- 同「切除可能固形がんにおけるマルチオミックス解析に基づく周術期がん個別化治療開発基盤の構築および運⽤に資する研究」
- 同「アジアにおける国際的遺伝子スクリーニング及び個別化治療開発基盤の構築」
- 同「新たな解析技術を組み入れた国際的遺伝子スクリーニング基盤の構築と臨床開発に関する研究」
- 同「新薬開発に資するがんゲノム情報の全国レベルでのデータベース構築に関する研究」
- 厚生労働科学研究費「臨床試験データベースより承認申請に資する「質」と「信頼性」を持つリアルワールドエビデンス作成可能性を検討する観察研究」
- 糖鎖生命科学連携ネットワーク型拠点・支援型糖鎖共同研究
糖転移酵素とがんマルチオミックスの包括的解析による血中循環腫瘍 DNA連関の解明および新規がんオミックス基盤の構築
遺伝子解析費用
SCRUM-Japanにおける遺伝子解析に関して、患者さんの費用負担はありません。
*診療に関する費用は通常通り患者さんが負担します。