PPIとは - がん患者さんのよりよい未来を作り上げるために、研究の中で患者さん・市民の皆さんの知見を参考にすることを言います。

PPIピーピーアイ ってなんだろう?

患者・市民参画(Patient and Public Involvement:PPI)

「医学研究・臨床研究プロセスの一環として、研究者が患者・市民の知見を参考にすること」
とされています。

研究には様々なステップがあり、研究の内容に応じて患者さん・市民の皆さんのご意見が参考になります。

どのようにPPIを実現するの?

「PPI」では、下記のイラストのように、研究者と患者さん・市民の皆さんが意見交換することでよりよい医学の発展を目指します。

ゴジラスタディ」では
どのようにPPI に取り組んでいるの?

GOZILA Study

ゴジラスタディは、リキッドバイオプシーという血液の検査により、がんの遺伝子の変化を
しらべることが実際に役に立つのかどうか
を評価した臨床研究です。

ゴジラスタディは研究者が計画しましたが、この研究では患者さんに参加していただきました。
このように患者さんに参加していただいて実施する研究を「臨床研究」と呼んでいます。

この臨床研究のひとつであるゴジラスタディでは、主に
  1. 説明文書をよりよくしよう
  2. 患者さん・市民の皆さんから意見を聞いて実施しよう
の2点について、患者さん・市民の皆さんと一緒に取り組みました。

ゴジラスタディのPPI ❶
説明文書をよりよいものにしよう

ゴジラスタディは、患者さんに参加いただき実施する臨床研究です。
研究について理解いただき、同意をいただいた方にご参加いただいています。
その「説明文書」がわかりにくくないか、説明が不足しているところは
ないか
ディスカッションしました。

その結果、患者さん・市民の3人から
合計48のご意見をいただきました。

いただいた48のご意見のうち20は
具体的な文言の修正、追記や提案で、
そのうち半分は「専門用語なのでわかりにくい」でした。

その次に多かった18の意見は、
「もっと詳細に記載してもらわないとわからない」という
ご意見で、その次の5の意見は情報公開について、
「どこを見たら追加情報が得られるのか記載してほしい」
でした。

オンライン会議の様子

ゴジラスタディのPPI ❷
患者さん・市民の皆さんから
意見を聞いて実施しよう

患者さん・市民の方と研究者が
一緒に考える場を設け、
定期的に意見交換会を
実施しました。

その結果、ご参加いただいた
みなさまからたくさんの
ご意見をいただきました。

2020.8
2021.3
2021.11・2022.1

がん検診で使えるようになってほしい

血液腫瘍でも取り入れてほしい

早期がんの発見には、リスクの高い方に
リキッドバイオプシーを取り入れてほしい

検診でステージやがんの種類がわかるといい

副作用の大小、効果の大小もわかるといい

リキッドバイオプシーで調べることによって
部分切除で済むようにならないか

開発のために、世界で連携をしてデータの
共有をしていってほしい

自宅や近所のクリニックで採血できたらいい

次の治療の選択肢がわかるようになるといい。

経過観察でCTやPETやMRIの代替になって
コスト削減に繋がるのではないか

遺伝的にがんになりやすい人も、不安解決、
次の対策を打つために検査を受けられれば
良いという

生検がしにくく再発が見つけにくい
がんにはよい

遺伝子解析が進んでいない分野を進めてほしい

リキッドバイオプシーは検査が楽。
気持ちの負担がないのでメリットがある

リキッドバイオプシーは採血のみなので、「気楽な検査」であること、
「副作用もわかるようになるとよい」こと、「近隣のクリニックでできるようになるとよい」こと、
「遺伝性のがんの人に役に立つのではないか」などの意見は、研究者には気づきにくい意見でした。

集まったご意見から
新たな研究へ

皆さんからいただいたご意見は、研究者が
ゴジラスタディやゴジラスタディに関連する研究を
進めていくため
に非常に参考になっています。

実際、こうしたご意見をもとに、リキッドバイオプシーを
用いた新しい研究計画
が進み始めています!

患者さん・市民の皆さんに役に立つ医学研究を行うために、 これからもご意見をいただけるとありがたく存じます。
ご協力よろしくお願いいたします。

SCRUM-Japan MONSTAR-SCREEN PPI
委員会のメンバー
2024年10月1日現在

  • 全国がん患者団体連合会
  • 天野 慎介(委員長)
  • 櫻井 公恵
  • 桜井 なおみ
  • 眞島 喜幸
  • 日本製薬工業協会
  • 宮田 雅代(ヤンセンファーマ)
  • 奥田 伊奈葉(グラクソ・スミスクライン)
  • 国立がん研究センター東病院
  • 吉野 孝之 医師・研究者
  • 坂東 英明 医師・研究者
  • 中村 能章 医師・研究者
  • 藤澤 孝夫 医師・研究者
  • 今井 光穂 医師・研究者
  • 小村 悠 研究支援者
  • 高草 舞子 研究支援者
  • 湯浅 三保子 研究支援者
  • 菊池 瑞穂 研究支援者
  • 緒方 唯 研究支援者
  • 木村 雪絵 臨床研究コーディネーター
  • 安達 聖子 臨床研究コーディネーター
  • 野地 彩有里 臨床研究コーディネーター
  • 高巣 咲江 臨床研究コーディネーター
  • 三木 いずみ 研究支援者

本サイトは、リレー・フォー・ライフ・ジャパン プロジェクト未来より研究費の助成を受けて作成しました。

2019年度 三木いずみ「SCRUM‐Japan研究における患者・市民参加型臨床研究の基盤構築」